ヒミツの恋【短編集】
袖で拭っても、拭っても…溢れて来る涙…





『真由美ぃ…』






立ち上がり私を抱きしめるまどか。




「…幸せに…っく…なって…ひっく…ほしいな…」





本当は…一緒に幸せになりたかった…





ポンポンと裕美に頭を撫でられる。裕美の労るような笑顔に…我慢してた気持ちが込み上げてきた。





「〜ッ!!…やだよぉ…本当はヤなのっ…うぅ…っく…ま…だ…好きっ…なのに…ひっく…忘れられ…いのにッ!」





ヤダよ…渉の笑顔を向ける相手が私じゃないなんて…




渉の隣にいるのが…別の子だなんて…







「ど…して…っく…こんな…事に…なっちゃ…んだろ…ひっく…。わたっ渉の言う通り…堂々と付き合って…たら…違ったの…かなぁ!?」




そしたら渉は全力で護ってくれた?私の気持ちも疑われずに済んだ?






一度溢れた涙は、止まる事を忘れたみたいに次から次へと溢れて止まらなかった。
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