SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
でも、ラーメン一杯食べるのだけの所持金は残っていなかった。



店の奥から小さな女の子が出てきて、俺の手にお金を乗せた。


俺は蘭莉にお金を借りて、母と一杯のラーメンを分け合い食べた…



空腹の全てを満たせなかったけど。


彼女の優しさが俺の心を温かくした。



* * *


「…好きな女はいるんだ…」
俺は結生に相談した。
俺は蘭莉にどうやってアプローチすればいいのか悩んでいた。
でも、出て来る言葉と言えば、彼女を苛める言動ばかり。
きっと、蘭莉は俺を嫌っているーーー・・・
「どこに?」


「会社だ…」


「会社?お前の部下か?」



「まぁ…」


「…そうか…お前…その子はキモチを伝えたのか?」


「…俺は彼女を苛めてるし…多分、嫌われてる…」











< 31 / 237 >

この作品をシェア

pagetop