SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
電柱の街灯の明かりだけの商店街。


壊れたアーケードの間から見えるのは淀んだ都会の夜空。



「お前…怖くないのか?」



「別に…大丈夫…平気ですけど」



「…父親は死んだけど…お前…母親と二人暮らしか?」



「母は幼い時に病気で亡くなりました…家族は父だけです」



克己は急に立ち止まってしまった。



「おいっ!?お前…こんな場所で一人暮らししてんのか?」



克己は急に声を荒立てて怒り始めた。



「待ってましたよ…飯塚さん。今夜こそは…サインしてもらいますよ」



ずっと、逃げ続ける私をダイヤモンド興産の社員が待っていた。

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