SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
私は荷物をまとめて階下に降りた。



「…お前…土地の権利書や預金通帳も持ったか?」
克己は壁に背を凭れ掛け、私を待っていた。


「えっ?そんなモノまで持っていく必要あるんですか?」



「…あのなぁ」


克己の口許からは盛大なため息と呆れた声が漏れる。



「…家を空けるんだ。当然だろ?」


「私は…ずっと空けようとは考えていません」


「…俺が困る」



克己は困惑の表情を見せた。


克己は私を心配しているーーー・・・


意地悪なクセに…

私は優しさを見せる彼に胸が高鳴らせた。



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