二人の距離
好きな人
いつからなのか、携帯電話が鳴り続けていて、六条涼葉(ろくじょうすずは)は布団にしがみついたまま電話を取った。電話をかけてきた相手は同じ学校の先輩の由上真示(ゆかみしんじ)だった。
涼葉はまだ眠くて目を擦りながら、電話に出た。
「はい、もしもし」
「やっと起きたな。遅刻する気でいたのか?」
「遅刻?」
まだ仕度をして家を出るまで時間はある。涼葉が黙っていると、真示が続けて話した。
「高校生だった頃に何度か二度寝をして遅刻してしまいそうになっていただろ?」
「そうでしたね」
「とにかく起きたのなら、さっさと支度をしろ。のんびり行動していたら、せっかく早起きをしても意味がないからな」
「わかりました。ではまた後で」
涼葉はまだ眠くて目を擦りながら、電話に出た。
「はい、もしもし」
「やっと起きたな。遅刻する気でいたのか?」
「遅刻?」
まだ仕度をして家を出るまで時間はある。涼葉が黙っていると、真示が続けて話した。
「高校生だった頃に何度か二度寝をして遅刻してしまいそうになっていただろ?」
「そうでしたね」
「とにかく起きたのなら、さっさと支度をしろ。のんびり行動していたら、せっかく早起きをしても意味がないからな」
「わかりました。ではまた後で」
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