二人の距離
 電話を切って、しばらく着信履歴を眺めていた。涼葉は受信することが多く、真示が発信した回数は多く、着信履歴のほとんどが彼の名前で埋め尽くされていた。
 真示の言う通り、のんびりするのはいけないので、顔を洗い、うがいをするために洗面所へ移動した。その後に台所へ行き、テーブルを見た。朝食は昨日に作った揚げ物や味噌汁、ごぼうサラダがあるので、温めるだけでいい。ご飯は予約をしていたから、とっくに炊けている。朝食をさっさと食べて、歯を磨いたり、制服を着替えたりしていると、時間はあっという間に過ぎた。
 乗っていた電車はいつも人がもう乗ることができないのに、何とか乗ろうとする人がいるので、身動きがとれない状態になる。学校の最寄駅に到着して、狭い空間から抜け出して歩き出そうとしたときに声をかけられた。
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