あしたのみらい
悲しくなる。

事態を知らない大智が歯ブラシをくわえたまま突っ立っている。

お父さんは、いつも通り―。

新聞の方が私より大事なんだ、って思い知らすみたいに―。

顔すらあげてくれない……。

私なんかより、新聞がいい――。

私なんかより、大事なものは―。

私なんかより、―――ッ。

「っあ、うあああぁぁっっ!」

何故か、叫んでしまった。

「お父さんなんてッ!キライっ!」

「未来!!」

「キライっ!!」

私は頭がおかしくなって、家を飛び出した。

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