あしたのみらい
ピンポーン。

押しなれたようなチャイムに、鳴り響くインターホンの声は、お母さん…。

「あぁ、未来は今用があって出れません」

私が言った通りにお母さんが応えてくれる。

「そうですか」

先生の靴音が遠ざかると、私は鍵を開けた。

でも間違っても1階に降りるようなマネはしない。



学校に行かなくなって1か月、もう2か月経ったのかな、私は何も食べなくなった。

一応、お茶を飲み、栄養はサプリで補っている。

でも、ときどきはそれさえも怠った。

お母さんとは話すし、心のよりどころではある。

唯一笑って本音を話せる、いや、愛もかな、相手となった。

でも、お父さんとは。

全く話さなかった。

話す事なんてないよ。

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