あしたのみらい
今の方がずっと好き。

失くして気付くなんて、私どんだけ間抜けなんだろうね。

あんなに好きだったのに、私、

私ってば―っ。

―ポロポロ。

冷たい感触が頬を伝った。

カーペットが涙にそまるたびに

私の脳裏に浮かぶのは、孝一くんの笑顔だけになっていた。

そして、悲しくて仕方がなくて、

自責の念にかられる。

『大好きだよ』

私、どれだけ孝一くんに言えたんだろう。

孝一くんの暖かい言葉が、よみがえるたびに、

ごめんねって、

ありがとうって、

大好きだよって、

これからもよろしくって。

何で、言えなかったのかなぁ……。

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