あしたのみらい
でも、見てしまうのが人間の性。

こっそりとのぞいた。

……あれって、うちのクラスの高峰さんじゃん。

高峰 絢香(タカミネ アヤカ)

そう書いてある名札が揺れる。

高峰さんて青井くんの事好きだったんだ……。

とってもかわいくて小柄でしかも優しいパーフェクトな女の子だ。

もしかしたらOKしてしまうのかもしれない………。

そんな不安が胸をよぎる。

「青井くんって……彼女いますか?」

必死な声が私の神経を刺激して返事を聞かずにはいられなかった。

「……あぁ、いないよ」

少しホッとしてしまう。

「じゃ、じゃああたしがなり……たいっ」

ドキリ。

「……ごめん、俺好きな人いるから。友達から始めよう?」

好きな人。

きっと、私じゃない。

だってあんなに軽くあしらってたし、冷たくしてた。

「……そっか、わかった」

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