あしたのみらい
まだ…、ここにいたい。

でも…、それは叶わない『夢』なんだって事。

病院にはそんな叶わない『夢』が飛び交っているって事も分かってる。

『まだこの人には死んでほしくなかった』遺族の人の【夢】。

『あなたは、まだ生きられるから…』重病を患った子どもに言い聞かせる母親の【夢】。

『僕、まだ死にたくないよ…』励ましてくれる母親の言葉に涙を流す子どもの【夢】。

この病院には、いくつの叶わなかった【夢】があったのだろう。

今の私のように恋人の突然の報告に涙を流してこの病院をあとにした人は何人いたのだろう。

そしてもう助からない恋人と過ごした日々を思い出しながら悲しみのどん底に突き落とされた人は何人いたのだろう。

私もそうなってしまうのだろうか。

この病院の医師に何度悲しみを訴え、眠れない夜を過ごしたのだろう。
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