あしたのみらい
「ただいま~」

「おっか~えっりぃ~」

あまりに元気なお母さんに不安は薄れる。

でも、新聞を凝視して私の帰宅に顔も上げず、肌着とももひき姿のお父さんを見ると。


とっても不安になった。

「お父さん、帰ったよ」

心配になって自ら言う。

「あぁ」

まるでそんなのどうだっていいよ、俺は今新聞を読んでるだろ、そんなかんじだった。

酷い。

何っにもする気が起きなくなって、ただただあの断片的な記憶を繋いで、一つの物語にしようとするだけ。

ただ、それだけだった。
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