RAMS
「...それで、2人とも命は助かって、梨李芽と蓮さん、別々の病院に柚萌さんが運んだんだって。」
はなし終えた樹悸はさみしそうな表情をしていた。
「なんで樹悸は知ってるの?」
初めて喋ったのはあやめだった。
「梨李芽に「本当のこと全部知りたい」って言って頼まれて柚萌さんと蓮さんの病院行って聞いてきたんだ。梨李芽が病院に来たとき、俺は肺炎で入院してたんだ。」
それに3人は黙ることしかできなかった。
「ちなみに...梨李芽の1人称が“僕”なのも、“りい”って言われるの嫌がるのも、全部忘れるため。お前らのおかげで大分忘れてたみたいだけどな。」
ずっと黙ったままの3人。
沈黙を破ったのは、、、
「さて、もうこの話題はなしね。今幸せだから気にしないで。」
と、笑顔で言った梨李芽だった。
その笑顔はどこにも無理してる様子はなかった。
みんなびっくりしたが、次の瞬間には
「なんで言ってくれないんだよー」
「ごめんごめん笑」
と笑顔で溢れかえっていた。