もう一度ここで
「はい!どうぞ!!」
目の前で喚く迷惑教師に
タオルを投げ付けてやる。
「オイィィッ!お前タオルも時には凶器になるんだぞ!ナメんなよ!」
うるさい。
ギロリと睨んでやった。
「何か言いました?」
「…ごめんなさい」
私の冷ややかな空気を察したらしい。
壁の時計が夜の7時を指す。
もうこんな時間か。
「じゃあ、私そろそろ帰ります」
回れ右して扉の方に歩き出したとき
呼び止められた。
「白石」
なんだ、さっきと違って真剣な声。
「待てよ。まだ帰んな」