もう一度ここで






振り返ると桃原先生は
真っ直ぐに私を見ていた。





最近、思う。



この人は、チャラチャラしてて
本当はちゃんと考えてる。




それで、悩んだ眼をしてて
たまにその眼は光をうつす。




「俺は、お前が本当に嫌なら諦める」




今、この人の眼には光が見えるのに

どうして私は





「すみません。うち、門限厳しいので」




逃げることしか出来ないんだ。





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