天使たちの過ごした日々【神前悧羅学院】
「紫綺、もう休め」
「……うん……」
声にならない声で何とか頷くと僕は紫蓮に抱きかかえられて、
寝室へと運ばれる。
僕はベッドに寝かされるとゆっくりと瞳を閉じた。
苦しかった呼吸は薬の効きもあって、
次第に落ち着き……鉛のように重い体は深く眠りの淵へと沈ませていく。
……紫……彩紫……。
僕が手に掴むことの出来なかった夢を
今年は貴方たちの采配で僕に見せて……。
この学院に残された最後の希望。
どうか……祈りを聞き届けて……。
僕の夢の架け橋となって学院を導いて。