天使たちの過ごした日々【神前悧羅学院】

そんな顔を見られたくなくて俯きながら搾り出すのがようやくで。



そんな私の肩に紫の手が触れる。


その手の温もりを感じながら、
私は暫く俯いたまま時間をやり過ごしていた。




涙が……止まるまで……。







距離は私の心が生み出したもの。




私の心の弱さが招いたもの。




紫も彩紫も最初から何処にも遠くには行っていなかった。




こんなに近くで触れることも出来たのに、
何処かとても遠い、会うことも出来ないところへ
行ってしまったような気がしてた。




でも……それも今まで。




これからの私たちの新しい一歩を
大切に……この先は歩いて行きたい。




紫の想いを
……叶えるために……。



*


……神前に新しい風を……


*



そんな夢を私も紫と彩紫と共に見てみたくて……。



そして……何時か……私は奏でたい。





この時の想いの全てをメロディーに託して……、
友情の協奏曲として…全てを語れる日を夢見ながら……。



……紫……、
お前の抱いた夢を一番近くで私にも見せて欲しい。





……彩紫と共に……


 

少しでも長く
……君と過ごしていたいから……。

< 33 / 60 >

この作品をシェア

pagetop