天使たちの過ごした日々【神前悧羅学院】


HBW制度。



イギリスにそういった学習システムがあることは
聞いたことがある。



日本で導入している学院は殆どないが外国のほうでは
随分昔から取り入れられているシステムだったはずだ。



上級生による下級生の学習指導。


下級生は上級生の日常的な世話を全て行いながら、
社会に出るために必要なものを学ぶ。



それならば……確かに、
神前に伝統を残しながら改革が出来る。



「紫綺さま、HBW制度の件私も検討しておきます」

「えぇ、紫」


最高総は孤独との闘い。




多分……今までの最高総はそうだったのかも知れない。



だが……私は違う。



私は決して飾りにはならない。

人形にも神にもならない。

頼もしい生徒総会の仲間たちと本音で語り合い、
ぶつかり……衝突し……そのなかで培われていく深い絆を
宝に……大切にしながら革命を進めていく。



彩紫が居て紫音が居て、
紫綺さまと草薙さんが助けてくださって。





偶然にも私と同じ『紫』に連なる、
今期の生徒総会の仲間たちと私は革命を成し遂げたい。




今の私は独りではないのだから。

< 36 / 60 >

この作品をシェア

pagetop