天使たちの過ごした日々【神前悧羅学院】




その時、ゆっくりと
迎賓館の重い扉が開く。





「紫、彩紫、紫音。
 遅くなりましたね。

 飛行機が着陸出来なくて……」




ゆっくりと姿を見せたのは、
櫻柳紫綺と、草薙紫蓮。





「紫綺さま、紫蓮さま。

 今年度、悧羅校と海神校の
 中心となる人物です」




ゆっくりと告げると、
生徒たちは、緊張した面持ちで
頭を下げる。




学院に伝説を築き上げた
創世の理事たち。




「紫、昂燿の奴らを
 早く呼んでやれ。

 アイツラが、
 学院の未来を担う
 俺達の後継者だ」


「えぇ」






ゆっくりとあげた手を合図に、
奥の扉が開かれる。






神前悧羅学院の迎賓館奥にある、
祭壇の前、
ゆっくりと膝を折って
就任の時を待ち続ける。




「今年度、学院KING。
 昂燿校・
 紺野高臣(こんの たかおみ)」

「微力を尽くす所存です」


「今年度、学院最高総補佐。
 西園寺天李(さいおんじ てんり)」

「御期待にそえるよう、
 精進します」





ゆっくりと誓いの言葉と共に、
祭壇に祈りを捧げる。 




「今年度、学院最高総。
 伊舎堂裕(いさどうゆたか)」


「この度は、理事会の皆様に
 推薦を頂き、このような大役を
 仰せつかる運びとなりました。

 この後は、学院の鑑として
 己の使命を全うし、
 先に築かれた礎の
 更なる未来へ、
 育めたらと思っています」







ゆっくりと一礼して、
祭壇を離れると、
就任したすべての生徒総会メンバーが
一斉に、再度祈りを捧げた。










祈りを捧げた後、
髪の長いメンバーたちは、
示し合わせたように、
その髪を解くと、
創世の理事会・五人と同じ髪型へと
結びなおしていく。







昂燿のメンバーは、
紫の組紐で結いなおす。







「紫……。

 良かったですね。

 貴方たが、この髪型に託した
 思いも……
 そうして受け継いでくれる」





紫綺さまの言葉に、
ゆっくりと微笑みかけた。






息子を中心に、
誕生した新たな生徒総会。。




この子たちが……
学院にどのような変革をもたらし、
伝説を築き上げていくのか……


そんな未来が、
楽しみで……。










種は芽吹く。




思いを受け継ぎ、
未来に繋げながら……。











あの日、架けた
天の橋は、
今も未来を広がる夢を
見つめ続ける。













それぞれの想いを
沢山か抱えて。








夢と希望が
光り輝く
神に守られた、
この学院の下に……。












The End


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