天使たちの過ごした日々【神前悧羅学院】
「さっ、セレモニーの時間ですね。
素敵な就任セレモニーに致しましょう。
お着替えのお手伝いをさせて頂きます。
最高総・最高総秘書、こちらへ」
紫綺さまに導かれて私と彩紫は生徒総会最高幹部の正装に
身を包むと、セレモニー会場である神前迎賓館へと移動する。
神道を主にして作られている学院の為、
セレモニー会場内を静かに雅楽の音色が包み込む。
「本年度、学院最高総・13年生・綾音紫。
並びに学院最高総秘書・同じく13年生・奈良朔彩紫、入場」
厳かに迎賓館に告げられた名前を受けて、
私はゆっくりと一歩ずつ足を揃えながら
赤い絨毯が敷き詰められた上を歩いていく。
その後方には彩紫の気配を感じながら。
生徒総会、活動初日。
厳かな就任セレモニーが始まる。
学院の神様が降誕する瞬間。
シーンと静まり返ったなかで
……神聖な空気が……周囲を温かく包み込んでいた。