あの加藤とあの課長
あの加藤とあの課長
あの課長
髪を撫でられる感覚に目を覚ますと、愛おしそうに目を細める彼がいた。
「悪い、起こしたか?」
「今何時…。」
「5時。」
肌寒さに彼の方へと擦り寄ると、冷えた私の体を抱きすくめる。
起きなきゃとは思うものの、この温かさに目を開くことすら億劫になる。
「疲れてんのにごめんな。」
それが昨晩のことを指しているんだとすぐに気付いた。
申し訳なさそうに謝る彼…風間 直人(かざま なおと)とは、この間付き合って1年を迎えたばかりだ。
「…直人の馬鹿…。」
「やっぱ大変なのか?」
「うん…。」
平社員から係長に昇進して早半年、慣れたものの疲れはするし、やっぱり大変だ。
「にしてもすげえよな、まだ24歳で係長とか。俺27歳なのに。」
「頑張ったから…。」
直人と私は年は違うけれど同期だ。短大出の私に対して4年制大学出身の直人。
ちなみに私が3月で早生まれで、直人が4月生まれだから3歳差。
学年で言うと、2学年上だ。
こんなのは日常茶飯事で、基本私の同期は皆2学年上だ。
短大出の私でも係長にまでなれたのは、うちの会社が実力主義であるおかげだ。
「っつか陽萌(ひめ)モテすぎ。俺の部署でもすごいんだけど。」
と拗ねた表情をする直人。
そんなこと言われても。私はモテてると思わないし、第一勝手に好かれるだけなのに。
「悪い、起こしたか?」
「今何時…。」
「5時。」
肌寒さに彼の方へと擦り寄ると、冷えた私の体を抱きすくめる。
起きなきゃとは思うものの、この温かさに目を開くことすら億劫になる。
「疲れてんのにごめんな。」
それが昨晩のことを指しているんだとすぐに気付いた。
申し訳なさそうに謝る彼…風間 直人(かざま なおと)とは、この間付き合って1年を迎えたばかりだ。
「…直人の馬鹿…。」
「やっぱ大変なのか?」
「うん…。」
平社員から係長に昇進して早半年、慣れたものの疲れはするし、やっぱり大変だ。
「にしてもすげえよな、まだ24歳で係長とか。俺27歳なのに。」
「頑張ったから…。」
直人と私は年は違うけれど同期だ。短大出の私に対して4年制大学出身の直人。
ちなみに私が3月で早生まれで、直人が4月生まれだから3歳差。
学年で言うと、2学年上だ。
こんなのは日常茶飯事で、基本私の同期は皆2学年上だ。
短大出の私でも係長にまでなれたのは、うちの会社が実力主義であるおかげだ。
「っつか陽萌(ひめ)モテすぎ。俺の部署でもすごいんだけど。」
と拗ねた表情をする直人。
そんなこと言われても。私はモテてると思わないし、第一勝手に好かれるだけなのに。
< 1 / 474 >