あの加藤とあの課長
「いいじゃない、おめでたいんだからー!」

「え、なんすか?」



なんでこの2人知り合いなんだと思ったけど、きっと敏ちゃんが煌に声をかけたかなんかしたんだろう。

敏ちゃんは恐らくうちの男性社員全員と繋がってる。


……恐ろしい限りだ。



「あ、初めまして、生渕さん。陽萌の兄の煌です。」

「あぁ。」

「いつも妹がお世話になってます。」



なんて会話を始めてる煌と生渕さん。



「公私ともに面倒見てやってください、よろしくお願いします。」

「分かった。」



おいおいおい!



「ちょっと、煌!」

「なんだよ。別に間違ったこと言ってねぇけど。」

「…そうかもしれないけど。」



こんな風に煌が私の男関係に口出すなんて初めてだし…、変な感じなんだもん。

不貞腐れていると、晋ちゃんが笑い出した。



「陽萌、皆喜んでんだからいーじゃん。」



自分は欠片も喜んでないくせに、そんなことを言う。

私の頭を軽く撫でてから、晋ちゃんは煌と生渕さんの会話に混ざり始めた。
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