あの加藤とあの課長
以前お世話になったこともあり、お礼も兼ねてと、本間さんに連絡を入れた。

答えは2つ返事でオッケー。


ひとまず安心しながら、私はまずは情報収集をしなくてはと敏ちゃんの所へと向かった。



「なるほどねぇ。」

「いろいろと教えてほしいの。」



敏ちゃんは座った肘掛け椅子をくるくると回しながらうーんと唸った。



「アタシもよく分からないのよ。」

「え!?」



あの敏ちゃんが!?

よっぽど驚いた表情をしていたんだろう、敏ちゃんは困ったように眉を下げた。



「あの2人、あまり情報が漏れないように注意してるのよ。」

「そうなの?」



私が情報に敏感な方ではないから知らないだけかと思ったけど、どうやらそうではないらしい。

敏ちゃんですら知らないとなると、誰がいる?



「分かっているのは、権力は絶大で、逆らうことは許されないってこと。」



人差し指を立てながら言う敏ちゃんに頷く。

私もそれくらいは知ってる。あと、目をつけられたらその人は、ずっと、あの2人のものだということ。



「気に入られるか、気に入られないか。どちらにせよ目をつけられたら、側に置かれるか、飛ばされるか。」

「…今まではずっと秘書課の人だったよね?」

「そうね。何かと楽だからね、秘書課の方が。」



自分の秘書にしてしまえば、側に置いておきやすい。

だから私の知る限りでは秘書課の人ばかりだったんだけど…。



「…食い飽きたってことなのかしら。」

「こ、怖いこと言わないでよ!」
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