あの加藤とあの課長
「懐かしいなーマジで。」

「うんうん。」



三富先輩…、元気かなあ。
今どこで何してるんだろう。



「ってか、陽萌と離れんの初めてじゃね?」

「え、今だって離れてるじゃん。」

「そうじゃなくて、そうそう会えねえようなくらいってこと。」

「あ、そういうことか。うん、初めてかも。」



そっか…、会えなくなるのは源だけじゃないもんね…。



「陽萌と離れんのとか変な感じ。」

「私も…。」



晋ちゃんとか敏ちゃん、増田ちゃんとも会えないんだ…。

なんだか急に寂しいなー…。



「ま、出向なんだし、また戻ってこれんだろ?」



煌は肩を叩くような要領でジョッキを私のグラスにぶつけて笑った。



「うん…!」



そう、あの頃とは違うんだ。

私たちはもう大人で、いざとなれば自分の力でどうにかできることもある。


それに…私はまた、戻ってこれるんだ。



「そろそろ帰るか、送ってく。」

「うん。」



意識はハッキリしているとはいえ、千鳥足な私。

タクシーに揺られ、家に着く頃には強烈な眠気に苛まれていた。



「生渕さんに来てもらうから、もう少し頑張れ。」

「んー…。」
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