あの加藤とあの課長
クリスマスの訪問者
内示が出てから早1ヶ月。
仕事の引き継ぎもあり、慌ただしくクリスマスシーズンを迎えてしまった。
そして、今日は23日。
祝日ということもあり、会社は休み。
「陽萌、何作ってるんだ?」
「ケーキだよ、ケーキ! あ、源も食べれるようにチョコレートケーキにしたよ。」
甘いものは苦手と言いながら、チョコ好きだったりする源。
付き合う前から会社で何度かチョコをもらっていたけど、どうやら常備しているし。
ちなみに直接聞いた訳じゃないけど、これは決まりだと思う。
「ふーん。」
興味なさげに鼻で返事をした源だけど、顔が緩んでいるのは隠しきれていない。
「源ってなんでチョコ好きなの?」
「好きじゃねぇよ?」
「…え?」
生地を泡立てる手が思わず止まる。
好きじゃ…ない?
せっかくのプロフィールの一項目が消える…!いや、それより…、このケーキ!
「甘いものの中で唯一食えるのがチョコなんだよ。」
「でもだって…、常備してるよね!?」
「…お前、知ってたのか。」
罰が悪そうに顔をしかめる源。
「…あれは、あー…、お前に…。」
「…私?」
珍しく歯切れの悪い源に首を傾げると、源はそっぽを向いて自分の髪をぐしゃぐしゃとした。
「やっぱ言わねえ。」
「えー!」
仕事の引き継ぎもあり、慌ただしくクリスマスシーズンを迎えてしまった。
そして、今日は23日。
祝日ということもあり、会社は休み。
「陽萌、何作ってるんだ?」
「ケーキだよ、ケーキ! あ、源も食べれるようにチョコレートケーキにしたよ。」
甘いものは苦手と言いながら、チョコ好きだったりする源。
付き合う前から会社で何度かチョコをもらっていたけど、どうやら常備しているし。
ちなみに直接聞いた訳じゃないけど、これは決まりだと思う。
「ふーん。」
興味なさげに鼻で返事をした源だけど、顔が緩んでいるのは隠しきれていない。
「源ってなんでチョコ好きなの?」
「好きじゃねぇよ?」
「…え?」
生地を泡立てる手が思わず止まる。
好きじゃ…ない?
せっかくのプロフィールの一項目が消える…!いや、それより…、このケーキ!
「甘いものの中で唯一食えるのがチョコなんだよ。」
「でもだって…、常備してるよね!?」
「…お前、知ってたのか。」
罰が悪そうに顔をしかめる源。
「…あれは、あー…、お前に…。」
「…私?」
珍しく歯切れの悪い源に首を傾げると、源はそっぽを向いて自分の髪をぐしゃぐしゃとした。
「やっぱ言わねえ。」
「えー!」