あの加藤とあの課長
翌日、終業時間に上がらせてもらって、源と一緒に大阪駅に来ていた。



「なんだか、すごくあっという間だった…。」



土曜日から今日まで、3泊4日。



「また会えるだろ。」

「うん…。……分かってるんだけど…。」

「寂しいのは、俺も同じだ。」



そう言って私の肩を抱く。私はそっと源のコートの裾を掴んだ。

離れたくない。


また、泣いてしまいそうだ。



「泣くな。」



困ったように笑いながら、私の顔を覗き込んだ源は、「な?」と首を傾げた。

なんとか頷くけれど、涙が頬を伝った。



「泣き虫。」



涙を拭いながら笑った。

私を見つめる源の瞳は、愛で溢れている。



「好きだよ、源…。」



ポツリ呟くと、源は驚いたように目を見開いて、それからまた笑った。


新幹線がホームに滑り込んでくる。

(デジャヴ…。)



「俺も好きだ。」



触れるだけのキスをして、源は私を抱き締めた。

次に会えるのはいつになるんだろう。


源のすべてを体に覚えさせるために、ギュッと抱きつく。



「源っ…。」



源は私を離すと、少し距離をおいた。
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