あの加藤とあの課長
千里眼の助言
3月になった。もうすぐホワイトデーだ。
3月は入学式や入社式なんかがあって、スーツ業界にとっては書き入れ時だし、月末には決算がある。
要するに、超多忙だ。
大阪支社では新店舗の開店が続々あるし、新入社員が入る。
そのための下準備もある。
「加藤さん、ココア入れてきたんで、少し休憩してください。」
私の髪を切った彼女が、ココアが入ったマグカップを私のデスクに置いて言った。
「ありがとう…。」
私は眉間を抑えながらマグカップを手に取った。
やっぱり長丁場は辛いなぁ…。絶対目悪くなるし…。
「頑張るのは構いませんけど、倒れられたら困るんアタシらなんで。」
「はいはい。」
「あんまり無理せんといてくださいね。」
「うん。」
私はココアを流し込むと、パソコンに向き直った。
世の中不思議なもんで。
あんなに対立していた彼女とも、あの一件以来仲良くなってしまった。
「世の中不思議なもんやなぁ。」
マグカップを下げに給湯室に向かう彼女の背中を見つめて、恵也が言った。
「まさかお前らがそない仲良うなるなんてなぁ。俺は予想外や。」
「私も。」
本当、不思議にできてるもんだな…。
3月は入学式や入社式なんかがあって、スーツ業界にとっては書き入れ時だし、月末には決算がある。
要するに、超多忙だ。
大阪支社では新店舗の開店が続々あるし、新入社員が入る。
そのための下準備もある。
「加藤さん、ココア入れてきたんで、少し休憩してください。」
私の髪を切った彼女が、ココアが入ったマグカップを私のデスクに置いて言った。
「ありがとう…。」
私は眉間を抑えながらマグカップを手に取った。
やっぱり長丁場は辛いなぁ…。絶対目悪くなるし…。
「頑張るのは構いませんけど、倒れられたら困るんアタシらなんで。」
「はいはい。」
「あんまり無理せんといてくださいね。」
「うん。」
私はココアを流し込むと、パソコンに向き直った。
世の中不思議なもんで。
あんなに対立していた彼女とも、あの一件以来仲良くなってしまった。
「世の中不思議なもんやなぁ。」
マグカップを下げに給湯室に向かう彼女の背中を見つめて、恵也が言った。
「まさかお前らがそない仲良うなるなんてなぁ。俺は予想外や。」
「私も。」
本当、不思議にできてるもんだな…。