あの加藤とあの課長
「出張ですか?」
「月曜から1泊2日。」
淡々と告げる課長は私に目もくれず。
「分かりました。」
出張が入った。久しぶりの出張にテンションが上がる。
遠出はいくつになっても楽しみなものだ。
「俺の車で行く。」
「はい。」
問題は、課長と2人きりってこと。ということは明日には別れなければ…。
課長と2人なんて知れたらどうなることか。
ブルッと身震いをしてから、書類を詰め込んだ鞄を持った。
「…クライアントの所に行ってきます。」
そう伝えて、会社を出た。
課長の仕事を補佐することもあるけれど、私1人の仕事もいくつかあるわけで。
私が抱えていたクライアントの何人かは晋ちゃんに引き継がなかった。
正確には、引き継げなかったんだけど。
「やぁやぁ陽萌ちゃん。」
「こんにちは。」
「待ってたよ、久しぶり。」
そう嬉しそうに笑うのは、お得意さんの本間(ほんま)部長。この人も、引き継げなかったうちの1人だ。
「新しい商品についてお話に上がりました。」
「そんな堅苦しい話はよしてさ。」
ニコニコと笑うその人はまだ30代半ば。
「月曜から1泊2日。」
淡々と告げる課長は私に目もくれず。
「分かりました。」
出張が入った。久しぶりの出張にテンションが上がる。
遠出はいくつになっても楽しみなものだ。
「俺の車で行く。」
「はい。」
問題は、課長と2人きりってこと。ということは明日には別れなければ…。
課長と2人なんて知れたらどうなることか。
ブルッと身震いをしてから、書類を詰め込んだ鞄を持った。
「…クライアントの所に行ってきます。」
そう伝えて、会社を出た。
課長の仕事を補佐することもあるけれど、私1人の仕事もいくつかあるわけで。
私が抱えていたクライアントの何人かは晋ちゃんに引き継がなかった。
正確には、引き継げなかったんだけど。
「やぁやぁ陽萌ちゃん。」
「こんにちは。」
「待ってたよ、久しぶり。」
そう嬉しそうに笑うのは、お得意さんの本間(ほんま)部長。この人も、引き継げなかったうちの1人だ。
「新しい商品についてお話に上がりました。」
「そんな堅苦しい話はよしてさ。」
ニコニコと笑うその人はまだ30代半ば。