あの加藤とあの課長
何も変わらない
「もし、もし…。」
『どうした。』
「今、時間大丈夫?」
『…あぁ。』
「……あの、ね。」
『ん。』
「…別れ、て、下さい。」
『……分かった。』
「じゃあ、ね…。」
『…あぁ。』
たった1分程度の電話で、私たちは終わってしまった。
ベッドに倒れ込むと、ケータイを布団の上に放り投げた。
4月、新しい季節が始まろうとしていた。
「源……。」
源…。
今、何を思っていますか?
自分から別れを告げておきながら、私のことを考えていて欲しいだなんて。
虫が良すぎるね。
「源…、好きだよ…。」
頬を伝う涙は、何の涙なのか。
大阪に帰って来て数日、考えるのは源のことばかりだった。
私はどうしようもないくらい源が好きで。
側にいられない寂しさと、やがて居場所を失うのではという恐怖に苛まれて。
結局、手から溢れ落ちるくらいなら、先に自分から手放してしまおうと思った。
『どうした。』
「今、時間大丈夫?」
『…あぁ。』
「……あの、ね。」
『ん。』
「…別れ、て、下さい。」
『……分かった。』
「じゃあ、ね…。」
『…あぁ。』
たった1分程度の電話で、私たちは終わってしまった。
ベッドに倒れ込むと、ケータイを布団の上に放り投げた。
4月、新しい季節が始まろうとしていた。
「源……。」
源…。
今、何を思っていますか?
自分から別れを告げておきながら、私のことを考えていて欲しいだなんて。
虫が良すぎるね。
「源…、好きだよ…。」
頬を伝う涙は、何の涙なのか。
大阪に帰って来て数日、考えるのは源のことばかりだった。
私はどうしようもないくらい源が好きで。
側にいられない寂しさと、やがて居場所を失うのではという恐怖に苛まれて。
結局、手から溢れ落ちるくらいなら、先に自分から手放してしまおうと思った。