あの加藤とあの課長
病院に着くと、思いの外落ち着いていた私は受付、ナースセンターで源の病室を訊いた。

教えられた病室の前、大きく深呼吸をした。


3月以来、4ヶ月ぶりの源だ。別れてから会うのは初めて。


ドアをノックした瞬間、内側から勢いよくドアが開いた。



「遅いわよ!」



聞こえた声に、思わず顔が綻ぶ。



「敏ちゃん…。」

「何やってたのよもう!」



冷静さは取り戻していているものの、その状況は思わしくないのだろうか。

いつもの敏ちゃんではなかった。


病室の中に入ると、ベッドに横たわる源がいた。そんな源についているのは、点滴のみ。



「過労、栄養失調、睡眠不足。」



医者に告げられたのであろう言葉を並べながら、私をベッドの側へと促した。

並べられた言葉に驚きを隠せない。



「過労? 栄養失調? 睡眠不足…?」



いつも源が私に注意していたことじゃないか。

まさか、その源が…?



「働きすぎなのよ、コイツ。食べる間も寝る間も、惜しみすぎなのよ。」



呆れたように言う敏ちゃんからは、先程の緊迫した雰囲気は消えていた。

どうやら大丈夫そうだ。


ホッとした瞬間、視界が曇りだした。
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