あの加藤とあの課長
それから先生を呼んで診てもらったところ、問題なしとの診断を受けた。


2人してベッドに入り、源に腕枕をしてもらう。

あの頃はこれが普通で、今思えば、こうしてもらうと安心できたんだ。



「痩せたね…。」



源の体に腕を回して、ふと呟く。

暗い部屋に、私たちの息遣いと声が響く。



「それは陽萌もだろ…。」



そう言って、私の体に回した腕の力を強めた。



「ちゃんと食えって言っただろ。」

「そんなの、源に言われたくない。敏ちゃんが言ってたよ、食べる間も寝る間も惜しんで働いてたって。」



源は顔を引きつらせると、そのまま視線を逸らした。



「ちゃんと食べて、ちゃんと寝なきゃ。私よりひどいよ?」



なんて言いつつ、きっと同等だ。
私だって寝ず食わずだったし。

とは言わず、源の顔をじっと見つめた。



「…まさか、陽萌にそんな風に言われる日がくるとはな…。」



そう言って溜め息を漏らした。

そして視線を私の方へと戻して、私の目をしっかりと見た。



「……陽萌と別れて以来、眠れなかった。」



私は目を見開いたまま、何も言えなかった。

なんだ。
なんだ…!
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