あの加藤とあの課長
その翌日朝礼で源の海外研修が発表され、毎日は平和に過ぎて行った。



「俺がいない間は陽萌は課長代理だな。」

「うん!」



俄然やる気が出て、今からやる気満々の私。

ベッドの上でこうして寄り添い合う時間が、今の私たちにはとても大事。


離れていた半年、特にそのうちの別れていた数ヶ月を埋めるようにたくさん話をする。



「忙しくなるだろうけど、無理するなよ。」

「何言ってんの、源に言われたくない。」



やっと最近体重が戻って来た源の肩を叩く。


ヨリを戻して最初に抱かれた時、痩せた源の体にショックを受けた。

それは源も同じだったようで。



「…そうだな。」



困ったように笑った源は、やっぱり寂しげで。

抱えたものはまだ少しも預けてもらえていない。



「向こうでもちゃんと食べてね?」

「向こうのものってカロリー高いからな…、太って帰ってくるかもな。」

「それくらいで丁度いいよ。」



あれ以来反省して多めに食べてはいるものの、お互い元々そんなに太らない体質らしく。

なかなか戻らない体重に苦労していたりする。



「あ、でもメタボは嫌だなぁ…。」

「それはあと30年くらいないことを願う。」

「…一生がいい。」



メタボな源も絶対愛せるけれど、好きな人にはずっとかっこいいままいてほしいもんね…。



「頑張る。」



そう笑った源は私をしっかりと抱き締めると、その目を閉じた。
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