あの加藤とあの課長
「ただいまぁ…。」



クタクタに疲れて帰る私を迎えるのは、真っ暗な部屋。

そして、プリン。



「プリン~、疲れたよう…。」



プリンをゲージから抱き上げながら、その体に顔を埋める。

疲れたけど家事はやらなきゃならないし、まだ仕事も残ってるし。


やることは、山積みだ。



「……源…。」



ここ最近ではまた源と連絡を取らない日々が続いていた。

正確には取れない日々が、だけど。


お互い忙しく過ごしている上に、今回は時差というものがあるから、なおさら連絡しにくい。



「はぁ…。」



社食でのあれは結構効いたなぁ…。

プリンをゲージに戻すと、ソファにゆっくり腰掛けた。


結婚するしない以前に、私は源の抱えているものを、未だに少しも預けてもらえていない。

帰ってきたら話すって言ってたけど…。


(それを聞いて、このモヤモヤはどうにかなるのかな…?)

かといって、それを無理やり聞いたりするのは絶対に違う。



「待つって決めたのに~…。」



いろいろと意志が弱いのは、悩みものだ。
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