あの加藤とあの課長
黒幕の正体
源が海外研修に行ってから、2週間ほどが経過した。残り、およそ3週間。
毎日の忙しさに追われる私の元に、一通のメールが届いた。
(……見間違い…、じゃないよね?)
そう何度も確認したくなるのも無理はないと思う。
なんせ差出人は、うちの会社の、社長だったのだから。
『君と話したいことがある。今日の昼休み、社長室に来るように。』
とそんな、簡易的なメール。
だけど業務的ではなく、むしろ私用のような感じのメール。
社長と聞いて、今の私が真っ先に思い浮かべるのは、源のこと。
あの噂はいつの間にか社内中に蔓延していて、当然営業内でもその噂で持ち切りだ。
そして肝心の源とは、未だにその話をできていない。
「陽ー萌っ、お昼行こ!」
そうこうしているうちにお昼になり、ルンルンの晋ちゃんが誘いに来た。
「ごめん、ちょっと用事があって…。」
「そう? んじゃ増田ちゃんと食べて来よーっと!」
「うん、ごめんねー。」
晋ちゃんも増田ちゃんももちろん噂のことは知っている。
だけど気の利く2人だから、特別そのことに触れてくるようなことはしない。
とはいえ、いつまでも避けていられないのは明確で。
毎日の忙しさに追われる私の元に、一通のメールが届いた。
(……見間違い…、じゃないよね?)
そう何度も確認したくなるのも無理はないと思う。
なんせ差出人は、うちの会社の、社長だったのだから。
『君と話したいことがある。今日の昼休み、社長室に来るように。』
とそんな、簡易的なメール。
だけど業務的ではなく、むしろ私用のような感じのメール。
社長と聞いて、今の私が真っ先に思い浮かべるのは、源のこと。
あの噂はいつの間にか社内中に蔓延していて、当然営業内でもその噂で持ち切りだ。
そして肝心の源とは、未だにその話をできていない。
「陽ー萌っ、お昼行こ!」
そうこうしているうちにお昼になり、ルンルンの晋ちゃんが誘いに来た。
「ごめん、ちょっと用事があって…。」
「そう? んじゃ増田ちゃんと食べて来よーっと!」
「うん、ごめんねー。」
晋ちゃんも増田ちゃんももちろん噂のことは知っている。
だけど気の利く2人だから、特別そのことに触れてくるようなことはしない。
とはいえ、いつまでも避けていられないのは明確で。