あの加藤とあの課長
「それで決まり～♪」

「いや、私他に仕事あるんだけど！」

「じゃあここに持ってきてやれば？」

「あのねぇ！」



さすがに怒る！

掴みかかる勢いで迫った私を見下ろして、やんわりと笑って言った。



「じゃあ、この話はなしね？」

「え？」

「コラボの話！」



怒るを通り越して呆れ、呆れるを通り越して放心してしまった。



「…卑怯じゃないの？」

「うーん、でも陽萌が側にいた方が創作意欲沸いていいんだよねぇ。」

「…上が了承しないと来れないから。」

「コラボの話し出したら一発でしょ？」



クスクスと笑う湊に怒りを覚えた。

湊からしたら、うちとの契約が破棄になったところで痛くも痒くもない。それはうちも同じだけど…。


でも、私１人のせいでこの話がパーになったら、痛いとか痒いとかの問題じゃない。



「…今日のお話はそれだけでしょうか。」



そう言って睨み付けると、ミナトさんはヘラっと笑った。



「それでは失礼します、ミナトさん。」



そう挨拶をすると、私は煌を引っ張ってアトリエを後にした。
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