あの加藤とあの課長
「あのさ、俺の存在忘れてね?」



トイレに立った湊がいない間を狙ってそう言う煌。



「忘れてないけど…、なんか作られてるね、雰囲気。」

「俺邪魔だったりするよな、これ。」

「そんなことないから! むしろいて!」



少ししか飲んでないのに、どうにも顔が熱くていけない。しかも目が潤む。

出してもらったからには飲みきらなきゃという気持ちが働くものの、これは一杯でもキツそうだ。


煌がいないと無理だ。



「それにしてもいい所だよね、私ここの常連になろうかな。」



ふふと笑いながら言うと、マスターがニッコリと微笑む。



「ソフトドリンクもご用意しております、いつでもお越しください。」

「そうします。」



このマスターなら安心して来れる。
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