黒(クロ)
え?縁ちゃんって俺のこと気に入ってたの?そんなの全く態度に出てなかっけど?いやいや、待て、その前に3人?え?傘下?暴走族なんですか?



『あれ、もしかして混乱してる?』


「え?あぁ、うん。俺のこと気に入ってたんだね。てか3人て。いや、待って待って傘下って?縁ちゃんが入れるって決めたんだよね?てことは結構な力を持つ立ち位置の族に入ってる人間だよね?」


『あぁ。うん。そうだよ。黒ってーのやってる。3人は幹部。あ、名前は教えないよ。』


「さらっと言ったね。……ん?黒?え?あの黒?どこにいるかもわからない、襲う理由も様々。うざかった、暇潰し、取り敢えず体動かしたいとかの理由でも動いちゃう黒?」


『うん。てか、暴走族なんだからいいじゃん襲っても。弱肉強食の世界なんだよ。私たちは黒い世界に居るんだからそんな理由で?とか言われる筋合いない。襲ってるのも族だし、一般人が楯突いてこなきゃ手は出してない。あんまりね。治安を守るとか、正統派だとか。甘いんだよ。こっちの世界にいる限り私たちは一般人にとって害でしかないんだから。』



わぁお。腹くくってるわ。黒は卑怯だとも言われる。けしていい話ばかりは聞かない。むしろ悪い方が多い。

しかしみな憧れるのは、その圧倒的な強さ。そして揺るがないところだ。

彼女たちは立場をわきまえている。正統派と呼ばれるやつらがけして見ない、見えないところをしっかりと見つめている。

それはどれだけすごいのとなのだろう。目を背けないなどなかなか出来ることではない。


あぁ、なんてかっこいいんだろう



「惚れそう……」
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