御子の恋
「さくらちゃん…気づいたんだ⁇」
キャハと香織が笑う。
その目は笑ってなかった。
「それと、どっかで会わなかったか⁇何か聞き覚えあんだよな〜⁇」
「会ってるよ。七ヶ月前に。」
七ヶ月前に⁇
……浮かばねー‼
「あの時さ……妖怪に囲まれたあたしを助けたよね⁇」
…あの子かい‼
「三つ編み⁇」
「そうだよ‼後から皆に聞いて、葉岡さくらだって分かった。」
ポツリと頼んでもないのに話し出す。
「私⁇」
「うん…。龍堂美雪と言う名前は焦った。」
そりゃそうか…。
「さくら…。サキュバスは……生まれつきじゃ無いんだ……。」
……し……知ってる……。
(さくら‼無駄はやめろ‼)
赤雷が話しかける。
うぐっ…。