御子の恋


…私は蓮に図書館に居るように言われた。


窓際に居る。


窓は全開だ。暑いから。


「悪りぃ…遅れた‼」


蓮がバタバタ走って来た。


「大丈夫。今来たところ。」


嘘だ。二十分も待ってる。



「さ…さくら。あのさ…。」





「俺さ。さくらと出会って世界が変わったんだよな。」



⁇同じ⁇


「あの時はいきなり逃げ出すもんでびっくりした。」


「男子嫌い…だったからね。」



私は肩をすぼめる。


「俺だって…外見で見るような女子嫌い。だけどな…お前だけは…。」


蓮は私の隣の窓際に座ってる。



「さくらだけは変わって居た。俺の中身を知った上で居てくれた。」


…。




蓮が私を見る。




その目は真剣…。







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