御子の恋
「話の意図が読めませんよ。深雪。」
蓮が説明しろとのオーラ放つ。
私は溜息しながら、頭をかく。
「従兄弟の兄です。工藤恭吾。会社の御曹司になりたてです。」
「…なりたて?」
「イエス。つい先ほどなったばかりです。何故か知りませんが、御曹司になったら、私を婚約者にすると言っているのです。」
「深雪から、約束しに来たんだろ?」
「あなたに言われる義務はありませんよ。私は今…ココでバイト中ですから。」
「男嫌いなのに?」
恭吾は蓮を睨む。
「こちらは、神藤蓮。同じ学園の人です。だけど、ランクはバラバラです。」
「当たり前だ。」
「猫はどこに行ったのです?」
蓮が本性出したので、私は少し慌てる。
「あぁ?深雪。どうすんだよ?俺と行くだろ?」
「嫌です。一人で十分です。」
私はサラリと払いのける。