御子の恋
私は懐から、お守りを出した。
「何だよ?これ?」
お守りは桜の花びらでデコ。
上はきっちり、紐で縛られていて、鈴がついている。
「それは、桜花護符です。」
「知ってる。何で渡すの?」
「緊急の時は呼んで下さい。」
「緊急?」
「イエス。妖怪がウヨウヨいる時期ですから。」
「わかった。」
「ですが…私の姉…風花(かぜか)に会ったら…その時は別よ。直ぐに呼べ。」
「…姉?」
私は末っ子。
姉は両親と旅行だが…念のため。