御子の恋
「ねぇ…蓮君。」
梨花が話しかける。
良いところなのに…
「何だよ?」
「深雪見かけてない?」
見てないな…
「いや…。」
俺はかぶりをふる。
「そっかぁ…家にも居ないからなぁ…。」
そう言えば…一日見かけてないな…。
風邪かと思ったんだが…家にも居ないとすると…
「そう言えば…預かり物。“いなくなったときは…蓮に渡せ”って言われたな。」
梨花が俺に折りたたまれた紙を渡す。
俺は受け取る。
「何だよ?これ。」
俺は紙を開く。
……俺は……
店を出た。
「蓮様!!」
沙羅の言葉は無視だ…。
深雪!!