御子の恋
無我夢中で走った。
目に入ったのは…廃ビル。
ここに沙羅が居そうだ。
崩れかけて居る扉を開けて入った。
「沙羅!」
俺は叫んだ。
「うるさいガキが来たもんね…。あの子が来るかと思ったのに…。」
上に女が居た。
髪はクルクル。色は茶色だった。
着物を着ている。
あの子…?
「沙羅は何処だ!」
「うるさい。沙羅って言うのか?あのガキは?あの子なら無事だよ。」
俺は安堵の溜息。
「全く…何処に行っても…さくら…さくら…。」
さくら?!
もしかして…こいつ…さくらの姉?!
そういえば…さくらは…
「私の姉 風花に会ったらその時は別よ。すぐに呼べ。」
って言って居たな…。
ポッケに忍び込んで居た桜花護符を出した。
「お前に会ったら…呼べって言って居たな…。」
その女は桜花護符をみたら、怒った。
「…あの子…を呼ぶ…?また比べる気ーー!」
女から渦巻く風の刃が俺に襲いかかる!!
さくら!!来てくれ!!
俺は桜花護符を握りしめた。