御子の恋
「さくら。俺が居るから。」
蓮が私の手を握る。
あたたかぁい…。
落ち着くよ…。
梨花…梨花…。
「大丈夫だよ。梨花は居るよ。」
蓮は私の胸を指す。
あ…。
「そう…だね…。」
私は苦し紛れの笑顔。
蓮は分かって居るかのように睨む。
「大丈夫。泣けよ。」
「ぅうん…。大丈夫。私は一人に慣れて居るから……。」
私は去った。
梨花から…蓮から…
希望の光から…逃げてしまったんだ……。
だって…梨花の居ない世界なんてあり得ないから…。