御子の恋
廃ビルの真実 Ren Side
は?
プリンセスランク…は…原則立ち寄る?!
マジかよ…。
「これは推測。待っていて。風花と沙羅も連れて行く。」
「何処に?」
「何処って…私の家に決まってるじゃんか。あんたバカになったわけ?」
ひでっ…。軽く傷つくわぁ…。
「分かったよ…。」
さくらは店に入り、沙羅と風花を連れて来た。
「いくよ。突っ立ってないの。」
「はいよ。」
相変わらずの冷たさだな…。
でも…辛いんだろう…。
さくらの方が辛いんだろう…俺よりも…。
「はい。着いたよ。」
ガチャガチャと鍵を開けるさくら。
ここぉ?!
家は屋敷みたいだった。
屋根はレンガで覆われ、月のマークが付いて居る。
「あぁ…。月神が居るんだと…。それの祭り事みたいだよ?」
さくらが視線に気付いたのか、説明した。
「ほら。入って。」
「お邪魔しまーす。」
「いらっしゃい。あなたは…?」
出て来たのは、女。
「……。」
さくらは答えない。
「蓮君。さくらの知り合い。」
沙羅が説明した。
「さくら!!自分で説明しなさい!!梨花ちゃんは?」
「………。」
さくらは辛そうだ。
「それについては出さないであげて?さくらは辛いんだから。」
風花がフォロー。
「は?!言いなさい。」
「……言う権利がない。」
さくらは更に沈んだ。
「言わないで!!さくらが一番キツイんだから!!」
再び風花がフォロー。
「あり得ないわ…。姉の方がしっかりしてるのに…。」
さくらの手が震えていた。
そして…誰にも気付かれない声で…
「何よ…。捨てた人が偉そうに…。妹なんかいらないって言ったの誰よ?」
とポツリいった。
早口だった。
そしてカンカンと階段を上がったさくら。
「ちょっ…待って!」
俺はさくらを追う。
後に続き、沙羅と風花も追う。
「……。」
さくらは喋らない。
「家に居る時は決まって黙ってるのよ。支えてあげて?」
風花が耳打ち。
そうなんだ…。