御子の恋
「沙羅居ない?」
蓮が私に尋ねる。
「そういや…風花も見かけないなぁ…。探す?多分そこら辺に居ると思うよ?」
「あぁ。サンキュ。」
私と蓮はカフェを出た。
「…あれは何でしょ?」
「知るか…。」
店を出た途端に、怪物が二匹いた。
と言うか…龍が居た。
それぞれ鱗の色は緑に青。
瞳は黄色でうもれて居る。
牙は特に鋭くて、噛まれたら一撃だろう。
掻き爪までものすごい鋭くて…。
”さ…さく…さくら…。“
心に響いた声。
「風花…?」
「はっ?じゃ…緑のが沙羅か?」
私は頷く。
「力を解放し過ぎなんだよ。」
“そ…そんな…事言われても…うまく…コントロール…出来ない…。“
途切れ途切れでうまく聞き取れない。
「わっーたよ。助けてやるから。」
“あ…ありが…ありがとね…また…たすけ…られた…。”
「はいはい。待ってなさい。タイプは?」
”沙羅…が…草…。私は…水…。“
「了解。蓮。あんたは何タイプ持ってる?」
「おっ…俺?!俺は…雷と水…あとは…炎しか持ってない。」
少なッ!
「沙羅をやれ。私は風花にする。
雷神の御子…サンダー アリーナ。」
「炎神の御子…ファイヤ キリャーナ。」
私は雷をまとう着物。
蓮は炎をまとう着物。
体中に電撃がほとばしる。
「行くよ…。何とかフォローするから!!」
蓮は頷く。
そして、二人は飛脚(地面を蹴り敵の間近に近づくこと)を出し、蓮は沙羅。私は風花に近付いた。
待って居て…。
今直ぐに救うから…。