御子の恋

髪は黒に変形。

闇神をまとうような着物。

鎌もある…。


何よりも…顔が……。


「さくら…。」


俺はつぶやいていた。


額には闇の証であるダークスター(闇の星)がついて居て…。

目は…真っ暗…。


まるで…希望なんか無いかのように…。


さくらは鎌をダークルイジャに振りかぶった。


「や…やめろっ!」

俺はダッシュ!!

ダークルイジャとさくらの間に立った。

「なぜ邪魔をする?」

さくらは冷えた瞳で俺を見た。

「ゴホッ…。さくら…。」

「ダークルイジャ?」

俺は振り向いた。

ダークルイジャはさっきと違い、白の鱗をまとう龍になって居た。

「ウグッ…。ガハッ…。」

「オイ…しっかりしろよ!」

「我が名は…グローリャ…。」

ボロボロになりながらもプライドを捨てないグローリャ…。

「さくら…。望んで無いはずだが…?」

「私は望んで居るよ?人類滅亡をね…?クス…。」

ゾクッと俺の背筋が走る。

人類…滅亡…?

「蓮。貴様が救え。」

「はっ?」

グローリャは上から睨んで居た。

かなり怖いんだけど…グローリャ…。

「お前がやりゃ良いだろ?俺には沙羅が居るし…?」

「フーン?じゃ…手加減なしね?」

はっ?ちょっと待て!!

誰が戦うと言った?!

さくらは鎌を手前に出し、今でも飛脚しそうだ。

「はぁー…。かなわねえよ…。」

「何でも諦める奴は大嫌いじゃ。」

睨むグローリャ…。

怖いっての!!それが!!

「バトルじゃなくて話し合いしようや。」


恭吾?!


チロッとさくらは恭吾を見た。

「何でもかんでもバトルとは限らんやろ?」

まず…あんたがバトル仕掛けたんだろーが…。


「そうだな…。話し合いだ。」

俺は恭吾の意見に賛同。

「……。」

さくらは黙り込み。

「嫌だ…皆…。どうして?どうしてぇええ?!」

ハァッ?!

さくらは全てを捨てそうだった。

「さくらは…人を余り信じたく無いんや…。裏切りだらけやからな。」

裏切りだらけ?!

「どういう事?」

風花は聞く。


って姉だろ?!


「我も聞こう。」

グローリャまで?!

「私は…嫌だ…。」

「言わなきゃ分からん事だってあるやろに。」

「だって…蓮が…。」

俺?!

「私を…見捨てるんだも…ん。」

見捨てる?!

「俺…見捨てた事ねぇよ?」

「嘘だっ!!聞いたんだから!!私なんか居なくたって平気だって!」

「平気じゃねぇよ!!居なくなったらこまんだからな!」

「それは兵器でしょ?」

はっ?


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