御子の恋
「笑うって…なに…?」
かすれるさくら。
「笑うって…心の中から。」
「分からない。もう良いよ。殺るから。」
さくらは鎌を振りかぶった。
ヤベッ…!!
俺は剣を前に出した。
ガキンと金属がぶつかり合う音。
「何。まだ何か用なわけーー…?」
「当たり前だろ。さくらを救うって決めたからな?」
「救わなくて良いよ。どうせいらない子だもん。」
はっ?
あり得ない。さくらはいらない子じゃない。
それは言えるよ。
「さくら。言おうと思っていた。」
「何を?」
「俺……。」