御子の恋
「さくら。お疲れ様。」
俺はさくらに近寄る。
さくらは丸い目で俺を見上げた。
ドクン…。
その目には…光が無かった…。
まともに見たのは始めてだったんだ…。
「どうも。」
無愛想のさくら。
「後で聞きたい事あるんだが…?」
「…ココでは言えない事?」
俺は頷く。
「分かったよ。風花も読んでくる。いつもの所でね。」
さくらは背を向ける。
そして、風花を呼びに、ダッシュ。
あっという間に居なくなった。
「…蓮様。さくらとどんな知り合いで?」
ハスキーな声。
右隣を見たら、ギャル風の女が言っていた。
「別に?ただの知り合いで。」
俺は愛想良く笑う。
「そうですよね。でも、さくらは変わりました。」
…?
「あんなに笑って居たのにな…。」
辛そうなギャル風の女。
何かが…あったのか…。