御子の恋
さくらからの手紙
「遅い。」
「たった数分だろ。」
来た早々、愚痴を言われた。
「この姿は仮だ。来い。」
はっ?
ここで話すんじゃねーの?
「蓮。知られたく無いの。」
セミロングが、俺の心を読み取りそれに答え、スタスタと歩いてしまった。
俺も後を追う。
着いたのは、さくらと俺の寮室だった。
何で知ってるんだよ?こいつ等は…。
「蓮。開けてくれ。」
と黒のツンツンヘア。
「それが人に頼む態度かよ。」
俺はブレザーのポッケから寮室の鍵を出し、ドアノブの鍵穴に入れた。
クルッと鍵を回し、"ガチャ"と鍵が開いた。
「んで?何の用。」
「まずは本当の姿を出すとしよう。」
と黒のツンツンヘア。
オオオ…と叫んだ。
おいっ!!近所迷惑だろーが!!
ドオンと音。
目の前に居たのは…さくらのチームだった。
赤竜が、
『我が名は赤雷。オスだ。ちなみに黒のツンツンヘアだ。』
白竜が、
『私の名は白炎。メスよ。ちなみにピンクのセミロングよ。』
シャーナが、
『オレの名は久留。オスだ。ちなみに茶色の子供っぽいヘア。』
…マジかー?!
あれ?俺はモンスタースキル持ってねーぞ?
何で聞こえんだ?
『蓮。桜花護符持ってないかしら?』
白炎が俺に尋ねる。
俺はズボンのポッケから桜花護符を出した。
『その桜花護符には、さくらを呼び出すのと、オレ等の声が聞こえるようになってるんだ。』
久留が繋げる。
へぇー…。
『さくらは何処に居る?』
と赤雷。
『私達はさくらがリーダーなの。いきなりチームから外れて…貴方がリーダーになって居たわ…。』
と白炎。
「どういう事?!」
『そのままだよ。さくらは消えたのさ。オレ等のチームからね。』
と久留。
そんな…。